メニュー

胆石症・胆嚢炎について

近年、食の欧米化に伴い、胆石症や胆嚢炎が増加傾向にあり、日本の約10~15パーセントが胆石を持っているという報告もあります。胆石を持つ人の多くは無症状ですが、胆嚢がんに罹患した患者では高率に胆石が認められるため注意が必要な疾患です。この記事では胆嚢の働きや胆石症・胆嚢炎の病態・検査・治療・予防について解説しますので参考にしていただければ幸いです。

♦︎目次♦︎

1 胆嚢とは
 1.1 胆嚢の構造
 1.2 胆嚢の働き
2 胆石症
 2.1 胆石症の症状
 2.2 胆石症の原因
 2.3 胆石症の治療
3 胆嚢炎
 3.1 急性胆嚢炎
 3.2 慢性胆嚢炎
 3.3 胆嚢炎の原因
 3.4 胆嚢炎の治療
4 胆石症・胆嚢炎の検査
 4.1 血液検査
 4.2 腹部超音波検査
 4.3 腹部X線検査
 4.4 腹部CT検査
 4.5 腹部MRI検査
5 胆石症・胆嚢炎のリスクと予防
6 診療費用

1 胆嚢とは

1.1 胆嚢の構造

胆嚢は、肝臓と十二指腸をつなぐ管の途中にあり、西洋梨のような形をした消化器です。胆嚢の長さは約10cm、幅は4cm程度の大きさです。

1.2 胆嚢の働き

胆嚢は肝臓で作られた胆汁を貯めておく働きがあります。胆汁は食べ物の消化を助ける働きがあり、食事を摂るとに胆嚢に貯めていた胆汁が胆管を通じて十二指腸に送り込まれます。

2 胆石症

胆汁の成分が固まってできた結石のことをいい、胆石症は胆管や胆嚢に胆石が溜まる病気です。胆石症の70%以上が胆汁中のコレステロールが過剰になり結晶化したコレステロール胆石と言われ、胆石の発生にはコレステロールが深く関わっています。胆石症は女性の方に多く、罹患率は男性の2倍とも言われます。また、肥満気味の方、40~50代以降に多い傾向にあります。

胆石症の症状

胆石症は、無症状のこと多く、検診や人間ドックなどで偶然に発見されるケースがほとんですが、その中で3割程度の人は胆石症により下記のような症状が現れます。

① 胆道痛(みぞおち、右肋骨下に、右肩の痛み)

胆道とは肝臓で作られた胆汁が十二指腸に流れ込むまでに通る道のりを言います。胆道痛は、右の肋骨の下部やみぞおちに強く現れ、痛みが右肩まで広がることもあります。胆道痛の特徴は食後に起きやすい点です。

② 発熱

胆石によって胆嚢や胆道に炎症が起き、発熱することがあります。

③ 黄疸症状

黄疸症状は、皮膚や白目が黄色くなる症状です。通常、胆汁は十二指腸へ流れ、その後、便に混じって排泄されます。しかし、胆石によって胆汁の流れがせき止められてしまうと十二指腸に排泄されずに血液中に流れ、黄疸を引き起こします。黄疸には、皮膚のかゆみを伴うことも多く、また、ビリルビン尿という褐色~黒色の尿が出ることもあります。

2.2 胆石症の原因

胆石症の原因は全てが解明されていませんが、肥満や過食、生活習慣の乱れ、ストレスなどが影響していると言われます。胆汁は、脂質の消化を助ける働きがあるため、脂質の多い食事は結石ができるリスクを高めます。

2.3 胆石症の治療

痛みがない場合には、定期的な検診を受け、経過観察で問題ありません。
しかし、腹痛などの症状が強い場合には、症状に応じて下記の治療を行います。

① 溶解療法

胆石の成分を溶かす作用がある内服薬を服用します。痛みなどの自覚症状が軽度の場合には、薬を継続し経過観察を行うことがありますが、胆石が溶ける割合は数%以下と言われ、高い効果は期待できません。

② 体外衝撃波粉砕療法(ESWL)

外科的手術をせずに体外より衝撃波を石に当て、結石を粉砕し、除去する方法です。しかし、合併症が起きるリスクもあり、溶解療法を併用する必要があります。また、再発するケースも多く、再発率は1年で20%、5年で40%程度といわれています。

③ 内視鏡的乳頭括約筋切開術

内視鏡を使用し、結石を除去する方法です。胆石が総胆管に詰まった場合に行われます。

3 胆嚢炎

胆嚢炎のほとんどは胆石が原因となり胆嚢に炎症がおきる疾患です。胆嚢炎には、「急性胆嚢炎」と「慢性胆嚢炎」があります。

3.1 急性胆嚢炎

急性胆嚢炎を発症すると、初期の段階では上腹部の不快感や鈍痛を感じる程度ですが、炎症の進行に伴い、右の肋骨下部に強い痛みが生じ、さらに炎症が進むと激痛になります。急性胆嚢炎を発症した方の9割以上が胆石が原因と言われます。胆石が胆管に詰まり、細菌感染や膵液が胆嚢に逆流することで炎症が引き起こされると考えられています。

胆嚢の炎症が進行すると胆嚢壁が壊死を起こし、重症化することもあります。

稀に胆石がなく、他の原因で胆嚢炎を起こす「無石胆嚢炎」を発症する方がいます。無石胆嚢炎の原因は、他の疾患や場合や無理なダイエットによる胆汁の排出量減少、細菌や寄生虫、アレルギーなどがあります。無石胆嚢炎は重症化するリスクが高く、適切な治療が遅れると死に至ることもあります。

3.2 慢性胆嚢炎

慢性胆嚢炎は、胆嚢の炎症が長期間持続する疾患です。炎症が長く続くと胆嚢壁が厚くなり、胆嚢が萎縮し機能が低下します。上腹部の鈍痛や黄疸などが現れることがありますが、急性胆嚢炎と比較すると症状は軽い傾向にあります。しかし、慢性胆嚢炎は、癌を誘発する可能性があり、放置せず正しい治療を行うことが重要です。

3.3 胆嚢炎の原因

最も多い原因は胆石です。胆石が胆管に詰まり、胆汁が流れずせき止められると腸内の細菌が胆汁とともに逆流し、細菌感染が起き、胆嚢炎を発症します。

胆石以外にも胆嚢炎の原因は様々あり、加齢や高脂質の食事、不規則な食生活、ストレスなどの生活習慣などが原因となり、胆嚢の収縮機能が低下することが大きな要因とも言われます。また、最近ではピロリ菌の感染が胆嚢の収縮機能低下に関与しているとも言われ、ピロリ菌は多くの消化器疾患のリスクとなることが分かっています。

3.4 胆嚢炎の治療

① 急性胆嚢炎の治療

急性胆嚢炎には、激痛を伴うことが多く、初期治療では絶食・捕液(水分と電解質)の点滴、抗菌薬・鎮痛薬の投与を行い、胆汁がうっ滞している場合には、胆道ドレナージを行います。胆道ドレナージは、胆管にうっ滞している胆汁を体外に排出させる治療です。症状に応じて手術を行い、胆嚢を摘出します。

② 慢性胆嚢炎の治療

慢性胆嚢炎の治療は、自覚症状がない場合には定期的に検診を受け、経過観察を行います。しかし、痛みなどの症状が強い場合や胆嚢がんの疑いがある場合には、胆嚢摘出術を検討します。

4 胆石症・胆嚢炎の検査

4.1 血液検査

細菌感染や炎症によって白血球の増加が認められます。

4.2 腹部超音波検査

胆嚢炎の原因となる胆石の有無や炎症による胆嚢の腫れなどを調べます。超音波検査は身体に害の無い非常に有用な検査です。

4.3 腹部X線検査

腸管内のガスや便の有無、腸閉塞の有無を調べることができます。

4.4 腹部CT検査

胆嚢炎による胆嚢壁の肥厚の様子や胆嚢や胆管の炎症の様子を調べます。CT検査は当院でも行なっております。詳しくは当院医師またまたお尋ねください。

4.5 腹部MRI検査

CT検査で写らない小さな胆石もMRI画像で調べることができます。

5 胆石症・胆嚢炎のリスクと予防

① 肥満や脂質異常症 

血中のコレステロールや中性脂肪が高い場合、胆汁内のコレステロールの濃度が上昇し、胆石ができるリスクが高くなります。適正体重を心がけることが脂質異常や生活習慣病の予防になり、ひいては胆石症、胆嚢炎の予防にもなります。

② 不規則な食生活

食事の間隔が空きすぎると胆汁が濃縮され、結石ができやすくなります。1日3食、バランスの良い食事が大切です。

③ 脂肪分の多い食事

脂質やコレステロールの多い食事は胆石ができやすくなります。ファーストフードや揚げ物、肉、パンや洋菓子などは摂りすぎに注意してください。

④ 暴飲暴食

一度にたくさんの量を食べると、消化のために胆汁も多く放出され、胆嚢や胆管に負担がかかります。食事はゆっくり、腹八分目を心がけましょう。

⑤ アルコール

アルコールによって胆汁が濃縮され、胆石のリスクとなります。アルコールの飲みすぎには注意し、適量を心がけましょう。

⑥ 女性ホルモンの減少

女性ホルモンの低下により血中コレステロールが増加する傾向にあり、胆石ができやすくなります。40−50代以降の女性は、脂質異常症や肥満に注意することが胆石症・胆嚢炎の予防に繋がります

6 診療費用

当院は全て保険診療です。
初診の診療費用は薬代を除き、おおよそ下記のようになります。(3割負担)

尿検査のみ 2000円前後
エコー検査のみ 2500円前後
採血+尿検査 3500円前後
採血+尿検査+エコー検査 5000円前後
胃カメラ 3500円前後
CT検査 5000円前後

当院では、患者さん全員を番号でお呼びし、全席に仕切りを設けてプライバシーにに配慮した診療を行い、経験豊かな専門医が患者さんに寄り添う診察を心がけております。右の肋骨の下部やみぞおち、右肩の痛みがあるという方は、池袋消化器内科・泌尿器科クリニックにお気軽にご相談ください。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME