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亀頭包皮炎(陰茎・ペニス・ちんちんが痛い、腫れる、痒い、赤い、カスがたまる)について

男性がご自身のペニスを見る機会は、1日に数回はあると思います。ある日突然、ペニスが腫れていたり、赤い、痒い、白いカスがたまる、かさつくなどの症状が起きたら、誰でも驚きとともに不安になると思います。しかし、そういった症状は珍しいものではなく、何らかの原因により炎症が生じると亀頭包皮炎という病気を引き起こすことがあります。当院のような泌尿器科には1日10人以上の亀頭包皮炎の患者様が受診されるほど、亀頭包皮炎に悩む患者様が多くいらっしゃる反面、あまり一般的に知られていない病気でもあります。この記事を通して多くの男性に亀頭包皮炎について知っていただければ幸いです。症例写真も紹介し、解説させていただきます。(閲覧注意:症例写真は少し刺激が強い可能性があります

◆目次◆

1 亀頭包皮炎とは
2 亀頭包皮炎になりやすい人とは
3 亀頭包皮炎の種類
 4.1 細菌性亀頭包皮炎
 4.2 細菌性亀頭包皮炎の治療
 4.3 細菌性亀頭包皮炎の画像
 5.1 真菌性(カンジダ性)亀頭包皮炎
 5.2 真菌性(カンジダ性)亀頭包皮炎の治療
 5.3 真菌性(カンジダ性)亀頭包皮炎の画像
 6.1 ウイルス性亀頭包皮炎
 6.2 ウイルス性亀頭包皮炎の治療
 6.3 ウイルス性亀頭包皮炎の画像
7 亀頭包皮炎の検査
 7.1 尿検査
 7.2 採血検査
 7.3 患部の拭い・培養検査
8 診療費用

1亀頭包皮炎とは

亀頭包皮炎とは男性の陰茎の亀頭と包皮に何らかの原因によって炎症を起こす病気です。その原因は、陰茎亀頭や包皮についた傷から細菌や真菌などが侵入し感染を起こすことにあります。亀頭包皮炎の症状では、赤みや腫れ、痒み、膿が出る、皮膚のひび割れ、白いカスがたまる、かさつきなどが起きることがあります。

2亀頭包皮炎になりやすい人とは

一般に亀頭包皮炎は包茎の人に起こりやすい傾向にあります。包茎は、亀頭に包皮が覆いかぶさり汚れが溜まりやすく、清潔を保ちにくい状態となるため雑菌が繁殖し、炎症を引き起こす原因となります。包茎が原因で亀頭包皮炎を繰り返す場合は、包茎手術治療の適応になります。
糖尿病と重度の免疫疾患を持つ方も免疫力が低下によって細菌や真菌に感染性やすく亀頭包皮炎になりやすい傾向にあります。肥満も糖尿病を悪化させ亀頭包皮炎になりやすくなります。また、皮膚のバリア機能が低下すると細菌などに感染しやすくなりますのでアトピー性皮膚炎の方や皮膚を洗いすぎる習慣がある方も要注意です。

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3亀頭包皮炎の種類

亀頭包皮炎は、細菌による細菌性亀頭包皮炎、真菌(特にカンジダ菌による)真菌性亀頭包皮炎に分けられます。
また、ウイルス感染によって起きる炎症もあり、ヘルペスウイルスが代表的なものですが、厳密には亀頭包皮炎と分類しないことも多いです。亀頭包皮炎は大きく細菌と真菌の2種類に分けられると考えて問題ありません。ヘルペスウイルスについて詳しくは性感染症の記事をご覧ください。
亀頭包皮炎は、炎症の所見から細菌性と真菌性を判断することは難しい場合もあり、発症の仕方や症状の違いも踏まえ診断します。
下記4,5で細菌性亀頭包皮炎と真菌性亀頭包皮炎について症例画像を基に説明いたします。尚、画像については当院・当グループのクリニックを受診し、亀頭包皮炎の治療を行った患者様の許可を得て掲載させて頂きました。

4.1細菌性亀頭包皮炎

細菌性亀頭包皮炎は細菌が亀頭や包皮で繁殖し炎症を起こします。亀頭と包皮に強い赤みや腫れが起き、膿が出たり、まれに排尿時に痛みを感じたりすることもあります。細菌性亀頭包皮炎では、強い赤みと腫れが特徴で中には陰茎亀頭の形が変わるくらいに腫れることもあます。また、細菌性亀頭包皮炎は、小児でも起こることがあり、幼児期に多く発症します。細菌性亀頭包皮炎の特徴としては、痛みや腫れが強いため発症して1日〜数日で医療機関を受診される患者様が多いです

4.2細菌性亀頭包皮炎の治療

細菌性亀頭包皮炎の治療は、抗生剤の軟膏を塗布し、症状がひどい場合には抗生剤の内服投与を行い、1週間から2週間程度で治癒します。

4.3細菌性亀頭包皮炎の画像

症例1  20代男性

3日前に急に陰茎が赤く腫れあがり、様子を見ていたところ痛みと膿が出てきたため当院を受診されました。
抗生剤の内服薬の投与と軟膏の塗布を行い、一週間で治癒しました。

症例1の画像はこちら

症例2  40代の男性

陰茎の腫れと痛みで当院を受診されました。炎症の状態から問診と視診で細菌性亀頭包皮炎だと診断し、抗生剤の内服薬の投与と軟膏の塗布を2週間行い治癒しました。問診では、細菌性亀頭包皮炎を起こした原因として糖尿病が疑われたため診断に際して血液検査を行ったところ糖尿病が見つかり、糖尿病の治療もそのまま継続しております。

症例2の画像はこちら

5.1真菌性(カンジダ性)亀頭包皮炎

真菌性(カンジダ性)亀頭包皮炎は、包皮が赤く炎症を起こしますが、赤みは非常に淡く、ピンク色に近い炎症で、強いかゆみを伴うことも多くあります。包皮にかすが溜まるのが特徴的で魚の腐敗臭のような臭いが出ることもあります。しかし、中には自覚症状が乏しい場合もあり、真菌性(カンジダ性)亀頭包皮炎でありながら長期間、放置している方もいらっしゃいます。放置すると皮膚がもろくなって傷がつきやすくなり、性行為の際に傷から他の病気(HIV、尖圭コンジローマや梅毒など)を感染しやすくなりますので放置せず、最寄りの泌尿器科を受診してほしいと思います。真菌性(カンジダ性)亀頭包皮炎の原因は、カンジダ菌が増殖することで起きますが、性行為によって感染し増殖する場合もありますが、カンジタ菌自体は皮膚の常在菌の一つでもあり、免疫低下などによって増殖することもあります。
真菌性(カンジダ性)亀頭包皮炎の特徴としては、症状が軽いまま続きなかなか治らないため、数週間から数年放置してようやく医療機関を受診される患者様が多いです。5年〜数年以上放置している方も珍しくありません。

5.2 真菌性(カンジダ性)亀頭包皮炎の治療

真菌、カンジタ菌は、水虫と同じ菌ですので治療は、抗真菌剤の軟膏やクリームを塗布します。症状がひどい場合には、抗真菌剤の内服薬の服用が必要な場合もあります。治療から1−2週間で症状の改善は見られますが、そこで治療を中止すると必ずというほど再発する傾向にあり、表面的な炎症が改善した後も2−3ヶ月程度は塗布を続けることが望ましく治療は長期間を要します。治療期間の最初の性行為は控えていただくことが望ましいです。また、抗真菌剤には複数種類があり、効果が無い場合には違う抗真菌剤に変えて治療を行なっていきます。

5.3 真菌性(カンジダ性)亀頭包皮炎の画像

症例1  30代男性

亀頭包皮の赤みに5年ほど悩み、包皮にかすが溜まり痒みも増し、性行為の度に切れてしまうということで当院を受診をされました。真菌性亀頭包皮炎と診断し抗真菌剤の軟膏を2ヶ月間、行い治癒されました。

症例1の画像はこちら

症例2  20代男性

2ヶ月前からの亀頭包皮に淡い赤みがあり、痒みを伴うようになり当院を受診をされました。真菌性亀頭包皮炎と診断し6週間の抗真菌剤の軟膏を塗布し治療されました。

症例2の画像はこちら

6.1ウイルス性亀頭包皮炎

ウイルス性亀頭包皮炎は基本的にはヘルペスによって起こります。ヘルペスウイルスに感染すると陰茎に単発もしくは複数の水泡ができ、その水泡が破けた後に糜爛(びらん)といって白い傷のような状態となり、非常に激しい痛みを伴います。発熱を伴うこともあります。糜爛は、数日経つと瘡蓋(かさぶた)になり治癒しますが、ヘルペスウイルス自体は一度感染すると体から消えることはなく、神経節に潜み免疫力が下がった時などに再発を繰り返します。

6.2 ウイルス性亀頭包皮炎の治療

ヘルペスでは、基本の治療は抗ヘルペスウイルス薬の内服薬を服用します。症状がひどい場合には、抗ウイルス薬の軟膏やクリームなどの外用剤を塗布します。
自然に任せても2週間程度で水泡は治癒することもありますが、痛みがひどく生活に支障が出る場合や炎症部から細菌感染を起こし悪化する可能性もありますので薬による治療を行うことをお勧めします。

6.3 ウイルス性亀頭包皮炎の画像

<症例1>20代男性

陰茎の痛みで受診され、問診で交際女性がヘルペスウイルスを保持しているとのお話があり、血液検査にてヘルペスウイルスによるウイルス性の亀頭包皮炎と診断しました。抗ヘルペスウイルス薬を五日間投与し、ウイルス性亀頭包皮炎は治癒しました。

症例1の画像はこちら

7亀頭包皮炎の検査

上記で解説したように亀頭包皮炎には、その原因によって適した治療法が異なるため、問診、視診と合わせ検査によって原因を調べることが大切です。

7.1尿検査

泌尿器科で尿検査は、診断する上で重要な検査となります。尿中に白血球が多い場合にはなんらかの病原体に感染していることが疑われ、赤血球が認められる場合には他の泌尿器疾患なども疑われます。

7.2採血検査

採血検査により炎症の程度を把握する他、ウイルス性亀頭包皮炎の場合はヘルペスウイルスの抗体を調べます。また、糖尿病が隠れているケースなどもあり、糖尿病の有無を確認することもありますので当院では亀頭包皮炎の患者様に採血検査を行うことをお勧めしております。

7.3患部の拭い・培養検査

亀頭包皮炎の検査では、培養検査が原因菌を調べるために非常に有益です。綿棒で炎症部の細胞を採取して培養し、原因菌を特定する検査方法です。培養検査には、通常1週間程度を要しますが、ヘルペスウイルスに関しては15分くらいで出る迅速検査も当院では行っております。

8診療費用

亀頭包皮炎の診療費用は、3割負担の保険診療で2000円から4500円程度の窓口負担となります。検査の種類によって多少、前後することがありますのでご了承ください。当院では電話再診なども積極的に行っており、検査の結果は電話でお伝えすることが可能ですので積極的にご活用ください。

 

当院では、患者さん全員を番号でお呼びし、全席に仕切りを設けてプライバシーにに配慮した診療を行い、経験豊かな専門医が患者さんに寄り添う診察を心がけております。
陰茎亀頭に赤みや腫れがあるという方は、池袋消化器内科・泌尿器科クリニックにお気軽にご相談ください。

執筆 泌尿器科専門医 伊勢呂哲也

池袋院

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