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性病(性行為感染症)について(原因、症状、検査、治療法)

このページでは性行為感染症の全般についてお話しします。性行為感染症にかかっている方は多いのですがどこに相談したらいいのかわからず、なかなか受診に繋がらないという方も非常に多いです。また性行為感染症の治療は自費診療で行っているクリニックも多いため数万円もの高額になり患者様の負担になることもあります。当院では保険診療で対応させていただいており、番号でお呼びをする、仕切りを設ける等の患者様のプライバシーに配慮しております。このページでは性行為感染症全体について書いてあります。各々ページで詳しく書いてありますのでそちらもご覧ください。

♦︎目次♦︎

1 性病・性行為感染症とは
2 クラミジア感染症
 2.1 クラミジア感染について
 2.2 クラミジアの検査・治療
3 淋病・淋菌感染症
 3.1 淋病について
 3.2 淋病の検査・治療
4 梅毒
 4.1 梅毒について
 4.2 梅毒の検査・治療
5 尖圭コンジローマ
 5.1 尖圭コンジローマについて
 5.2 尖圭コンジローマの検査・治療
6 トリコモナス
 6.1 トリコモナスについて
 6.2トリコモナスの検査・治療
7 マイコプラズマ・ウレアプラズマ
 7.1 マイコプラズマ・ウレアプラズマについて
 7.2 マイコプラズマ・ウレアプラズマの検査・治療
8 HIV感染
 8.1 HIV感染について
 8.2 HIV感染の検査・治療
9 性器ヘルペス
 9.1 性器ヘルペスについて
 9.2 性器ヘルペスの検査・治療
10 診療費用

1 性病・性行為感染症とは

性病・性行為感染症とは、あらゆる性行為によってうつる感染症のことです。性行為感染症はクラミジア、性器ヘルペスがメジャーで感染者数も多いです。そのほかにも淋病、HIV、尖圭コンジローマ、マイコプラズマ、梅毒などがあります。特にここ最近では梅毒が急激に増加しています。性行為感染症においてはコンドームの使用が有効とされていますが、口腔性交、肛門性交においても通常の性交渉と同じように使用することが大切です。しかしながらコンドームの穴が開く、破れるなどの損傷や、患部がコンドームでは覆われていないなどの不備も考えられ、コンドームを使用していたからといって100%性行為感染症を回避できるわけではありません。また、性行為感染症には自覚症状がなく発症しているというものもあり、自分が感染症にかかっていると気づかずに感染を広げてしまうということもあります。ほとんどの性行為感染症は放置して進行すると男女ともに不妊の原因になるため、気になることがある場合にはすぐに受診することをおすすめします。

2 クラミジア感染症

2.1 クラミジア感染について

クラミジアは性器クラミジア感染症といいクラミジア(Chlamydia trachomatis)という細菌によって引き起こされる性行為感染症です。世界でも最も感染者数の多い性行為感染症です。クラミジアは無症状の人も多いので症状に気づかず過ごしている人も多いです。

クラミジアは通常の性行為だけでなく口腔、肛門などの性行為でも感染するため、性器周辺のみならず咽や肛門にも症状が現れます。潜伏期間は行為後1〜2週間で男性では排尿時痛、尿道の不快感などがあり、女性では膣の分泌物が増える、排尿時や性交時の痛みなどがあります。また、喉に感染したときには喉がイガイガする、痛み、違和感などがあります。

2.2 クラミジアの検査・治療

クラミジアの検査は尿検査とうがい検査をします。どちらの検査も当院では検査結果が出るまで3〜4日かかります。クラミジアの治療はアジスロマイシンというお薬を一回服用します。尿道炎の場合でも咽頭炎の場合でもこちらのお薬を服用します。アジスロマイシンの内服でも改善が見られない場合はミノサイクリンというお薬を使用します。
治療後2週間後に必ず陰性確認のための受診が必要となります。

クラミジア感染症について詳しくはこちらをご覧ください

3 淋病・淋菌感染症

3.1 淋病について

淋病とは淋菌感染症といい淋菌(Neisseria gonorrhoeae)という病原菌による性行為感染症で特に男性に多くみられます。淋菌自体はとても弱い菌ですが粘膜で生存し続けるため、基本的に性行為によって粘膜感染していきます。数日〜2週間の潜伏期間があり、男性の尿道に感染した場合は尿道炎をおこし、排尿時痛や膿がでます。女性は無症状の場合が多いですが、膣に感染するとおりものが増えたり性交痛などがあります。また最近では口腔性交(オーラルセックス)に伴う喉の感染も多いです。喉に感染した場合には喉の痛みや腫れがあり咽頭炎をおこします。

3.2 淋病の検査・治療

淋病の検査は尿検査とうがい検査で体内に淋菌がいないかを調べます。検査の結果が出るまで3〜4日かかります。治療としてはアジスロマイシンという抗生物質を内服します。もしくは筋肉注射や点滴で治療をすることもあります。淋病に感染している人はクラミジアに感染していることも多いので同時に治療が必要となります。

淋病について詳しくはこちらをご覧ください

4 梅毒

4.1 梅毒について

梅毒は梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)という病原体による性行為感染症です。感染するとヤマモモのような赤い発疹ができることから梅毒と名付けられています。江戸時代には梅毒に感染する人はとても多く、不治の病として恐れられてきました。抗生物質の出現で梅毒は治る病気にはなってきましたが、ここ近年増加傾向にあります。梅毒の特徴的なことは第一期から第四期の末期に至るまでのステージに分けられて末期は感染から10年以上後に発症します。

4.2 梅毒の検査・治療

梅毒の検査は採血検査となります。治療は抗生物質の投与になります。完全に治るまでお薬の服用を続けます。梅毒はきちんとお薬を飲むことで治ります。また治癒したと判断されてからも定期的に検査をして再感染していないかを確認する必要があります。

梅毒について詳しくはこちらをご覧ください

5 尖圭コンジローマ

5.1 尖圭コンジローマについて

尖圭コンジローマはヒトパピローマウィルスによって引き起こされる性行為感染症です。早い人で2週間後、大体8ヶ月から一年後という長い潜伏期間があります。トサカ状のできものができて驚く人も多いですが、できもの自体に痛みや痒みは生じません。男性の場合は陰茎、陰嚢、肛門にでき女性は膣や肛門にできます。基本的に体の中からウィルスが消滅することはなく、免疫が低下したときなどに再発することが多々あります。

5.2 尖圭コンジローマの検査・治療

尖圭コンジローマの検査は電気メスで組織を切除し、その中に病原体がないかを調べます。治療は塗り薬、それでも治らない場合は電気メスや液体窒素での治療となります。

尖圭コンジローマについて詳しくはこちらをご覧ください

6 トリコモナス

6.1 トリコモナスについて

トリコモナスとは膣トリコモナス症といい、トリコモナス原虫という微生物による性感染症です。膣トリコモナスという名前なので女性だけがかかるかと思う人もいますが、トリコモナスに感染している女性と性行為などの接触をすることによって男性も感染します。男性は尿道炎を引き起こし、排尿時痛や痒みなどがあります。女性は膣に感染し外陰部に強い痒みや痛みを伴います。潜伏期間は10日前後ですが、自覚症状のない人も多く感染を広げてしまうこともあります。女性のトリコモナス症は婦人科での診察をしてもらうのが一般的です。

6.2 トリコモナスの検査・治療

トリコモナスの検査は男性は尿検査、女性は膣分泌液検査となっておりますが、当院では女性の検査は行っておりません。女性の方は婦人科を受診してください。治療はメトロニダゾール、トリニダゾールなどの薬を内服します。トリコモナスは寄生虫感染ですので性交時には損傷のないコンドームをきちんと使用することでかなりの確率で防ぐことができます。

7 マイコプラズマ・ウレアプラズマ

7.1 マイコプラズマ・ウレアプラズマについて

マイコプラズマ・ウレアプラズマは細菌による性行為感染症です。マイコプラズマ肺炎をよく耳にする方も多いと思いますが、これは性感染症のマイコプラズとは異なる原因菌で、通常の風邪と同様に咳やくしゃみなどから感染します。性感染症のマイコプラズマ・ウレアプラズマはキスをはじめとしたあらゆる性行為で粘膜から感染します。尿道や膣、喉、肛門に感染し1週間から5週間の潜伏期間の後、男性は軽い排尿時痛、痒み、膿が出ることもあります。女性はおりものの異常、膣の痒みなどがあります。男女ともに症状が軽く、全く無症状の人も多いです。

7.2 マイコプラズマ・ウレアプラズマの検査・治療

マイコプラズマ・ウレアプラズマの検査は尿検査となります。治療は抗生物質(アジスロマイシンやミノサイクリン)の内服を行います。また、マイコプラズマ・ウレアプラズマの治療は保険適用になっておりません。診療費用に関しては下の項目をご覧ください。

8 HIV感染

8.1 HIV感染について

HIVとは(Human Immunodeficiency Virus)の略で「ヒト免疫不全ウィルス」というものです。HIVウィルスは性行為の他に針刺しなどの医療行為でも感染してしまいます。その名前の通りHIVに感染すると自分の免疫が正常に機能しなくなる、免疫不全を起こすためとても怖い病気です。2週間から1ヶ月で風邪のような症状が出て、その後治まります。数年から10年くらい経過してエイズを発症し、エイズを発症してから初めてHIV感染を知る人も多いです。他の性行為感染症(クラミジア淋菌、梅毒)などにかかっている方はHIVに罹りやすいとされています。

8.2 HIV感染の検査・治療

HIVの治療は保険適用になっていません。当院でも検査後にHIVが判明した場合はHIVの治療ができる専門の病院を紹介させていただきます。早めに治療することが大切です。

9 性器ヘルペス

9.1 性器ヘルペスについて

性器ヘルペスは性器ヘルペスウィルス感染症(genital herpes simplex virus infection)という性行為感染症です。唇にヘルペスができる人も多くいますが、そのヘルペスは1型の単純ヘルペスで幼い頃などに口から感染したものが発症したものです。性器ヘルペスは2型の単純ヘルペスで性行為によって性器や周りの部位に水疱状のブツブツが現れます。人によってはブツブツに痛みを伴うこともあります。1週間くらいの潜伏期間があります。初めて発症する時は発熱などを伴う重い症状です。ヘルペスは一度かかるとずっと体内に潜伏しているため、自分の免疫力が低下したときなどに再発します。また、HIVの感染を高めるので早めの治療が大切です。

9.2 性器ヘルペスの検査・治療

病変を綿棒で擦ってヘルペスウィルス抗原検査または血液検査でヘルペスウィルス抗体検査をします。治療は内服薬、塗り薬、点滴があります。またヘルペスウィルスは完全に体内から除去することはできないため、日頃から免疫力を落とさないようにしましょう。

 

10 診療費用

クラミジア淋菌の検査・治療費用 3000円~4000円
梅毒の検査・治療費用 3000円~4000円
尖圭コンジローマの検査・治療費用 薬治療 1000円~2000円
電気メスによる切除 4000円~6000円
トリコモナスの検査治療費用 3000円~4000円
マイコプラズマ・ウレアプラズマの検査費用 自費検査 9000円

HIV感染症の検査費用

自費検査

4400円
性器ヘルペスの検査・治療費用 3000~5000円
淋病の検査・治療費用 3000~4000円

3割負担のお値段です。診療費用は内容によって多少の前後はあることをご理解ください。(マイコプラズマ、HIV検査のみ自費検査)

以上の検査・診療・治療費に薬局でのお薬代がプラスされます。


池袋消化器内科・泌尿器科クリニックは消化器内科と泌尿器科の専門クリニックです。
当院ではプライバシー対策と感染対策を徹底して診療しております。
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執筆 泌尿器科専門医 伊勢呂哲也

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