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胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)について

♦︎目次♦︎

1 胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)とは
2 胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)が必要な理由
3 胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)でわかる病気
 3.1 胃がん
 3.2 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
 3.3 逆流性食道炎
 3.4 食道がん
 3.5 胃ポリープ
 3.6 慢性胃炎
 3.7 ヘリコバクター・ピロリ菌感染
 3.8 機能性ディスペブシア
4 当院での胃カメラ検査について
5 診療費用

1 胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)とは

一般に胃カメラと呼ばれる検査は、正式名称を『上部消化管内視鏡検査』といい、先端にカメラがついた極細のファイバースコープを、鼻(経鼻)、または、口(経口)から挿入し、咽頭・食道・胃・十二指腸の粘膜を直接、リアルタイムに観察する検査です。

「胃カメラを飲むのは痛みを伴う」というイメージがありましたが、それは、一昔前の胃カメラの技術によるものです。現在の胃カメラは、痛みや不快感は軽減されており、かつ、詳しく粘膜を観察することができるため、患者さんにとって非常に有益な検査となっています。

漫画でわかる胃カメラ検査
胃内視鏡検査

2 胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)が必要な理由

胃カメラが必要な理由として挙げられるのは、胃がん食道がんの早期発見、及び、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染の有無の確定診断などを行うためです。また、胃痛・胸焼け・吐血・胃部不快感などの症状の原因を明らかにし、適切な治療を行うためにも必要な検査です。

「胃カメラ検査を受けたことがない」という人でも、健診などで「バリウム検査を受けた」という経験はあると思います。バリウム検査は正式には『上部消化管X線検査』という名称です。バリウムを飲みX線写真を撮影すると胃粘膜や十二指腸に発生したポリープや潰瘍、隆起、陥凹などを、影絵のように映し出すことができます。しかし、バリウム検査は、凹凸がない部分に対しては感度が低い面もあり、病変を見落とす可能性もあります。

これに対し、胃カメラは、胃粘膜の様子をより詳しく観察することができ、早期発見という点でより精度が高いと言えます。

3 胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)でわかる病気

胃カメラの最も大きなメリットは、自覚症状がない場合でも早期発見できることです。

3.1 胃がん

胃がんの患者数はがん患者の中で最も多く、2020年のデータでは13万人以上が罹患していました。早期胃がんの85%異常は自覚症状がないと言われ、気づかずないうちに進行してしまうケースが多くあります。

胃がんは早期に発見し、適切な治療を行えば完治すると考えられています。胃カメラを行うことで助かる命が多くある……と言えるものです。区市町村などが実施する胃がん検診は、40歳からが対象というところが多いと思いますが、そういった機会を逃さず、積極的に胃カメラ検査を受けてください。

3.2 胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃潰瘍と十二指腸潰瘍は、なんらかの原因で粘膜に傷がつき、胃酸の分泌と防御機能のバランスが崩れ、胃酸が過剰となり、潰瘍ができてしまうというものです。

原因は様々ですが、ヘリコバクター・ピロリ菌感染が一因であることが分かっています。ピロリ菌感染は、消化性潰瘍の大きなリスクとなりますので、胃カメラによる検査が有効と言えます。

実際の胃潰瘍の画像

3.3 逆流性食道炎

逆流性食道炎は、胃の中の胃酸が食道に逆流し、食道に炎症を起こす症状です。長期に渡り、食道が胃酸の攻撃を受けると食道の粘膜が胃と同じ粘膜に変化し、がん化のリスクが高くなります。

逆流性食道炎では、その炎症の重症度を判定することができる胃カメラが、非常に重要な検査となります

実際の逆流性食道炎の画像

3.4 食道がん

日本では年間に約2.5万人が食道がんと診断され、1.1万人の患者さんが亡くなっているという統計があります。食道がんの初期はほとんど症状がなく、気づかないうちに進行するというケースが多くあります。

しかし、早期に発見・治療開始できれば、それまでと変わらない生活も可能です。バリウムなどの一般の健診で早期の食道がんを発見することは難しいため、食道がんの罹患率が増加する50代からは、定期的な胃カメラ検査をお勧めします。

3.5 胃ポリープ

胃ポリープとは、イボのように胃の粘膜が盛り上がった隆起性病変のことです。一般的に胃ポリープのほとんどが良性ですが、ポリープの大きさが2cmを超える場合には癌化のリスクも生じてくるため、胃カメラ検査で詳しく調べてもらうことが必要です。

実際の胃ポリープの画像

3.6 ヘリコバクター・ピロリ菌感染

ヘリコバクター・ピロリ菌感染とは、ピロリ菌が胃粘膜に棲みついている状態です。ピロリ菌が排出するアンモニアが胃粘膜に悪影響を及ぼすことで、慢性胃炎・萎縮性胃炎・胃癌など、様々な胃の疾患を引き起こします。

いずれも、長期間にわたるピロリ菌感染による胃粘膜へのダメージが原因ですが、多くの場合、自覚症状がありません。しかし、症状が進行すると胃液が十分に分泌されなくなり、食欲不振・胃もたれ・胸焼け・ゲップといった症状が出るようになります。これにより慢性胃炎が引き起されると、がん化のリスクが高まることでも知られています。

胃カメラを受け、ピロリ菌感染を早期に発見することができれば、薬の内服によってピロリ菌を除菌することができます。また、ピロリ菌を保有している親が、子どもと同じスプーンで交互に食べるなどすると、子どもがピロリ菌に感染する可能性があります。20歳を過ぎたら一度はピロリ菌の有無を胃カメラで調べることをお勧めします。そして、お子様を持つ前に除菌しておくことが、未来の子どもへの感染を防ぐことにもなります。

3.7 慢性胃炎

慢性胃炎は、胃粘膜の炎症が長期間に渡って繰り返され、そのために胃粘膜が萎縮することで起こります。慢性胃炎の約80%が「ピロリ菌感染が原因」と言われます。

胃もたれ・胃痛・膨満感などの自覚症状が起きることがありますので、そのような症状がある場合は胃カメラ検査を受けましょう。

実際の慢性胃炎の画像

3.8 機能性ディスペブシア

機能性ディスペプシアとは、胃にはっきりした異常が認められないにもかかわらず、胃の不快な症状が続いている状態です。ストレスの多い現代では、この機能性ディスペプシアは増加傾向にあります。

機能性ディスペブシアの治療には、身体全体に異常がないことや胃の粘膜に目に見える異常がないことを確かめる必要があり、採血検査や胃カメラ検査を行うことが推奨されます

4 当院での胃カメラについて

漫画でわかる胃カメラ検査
胃内視鏡検査

当院の胃カメラは富士フィルム社最新のLED光源一体型プロセッサー6000システムを使用しており、LED光源を用いた装置は、早期がんにおいて特徴的な粘膜表層の微細血管などの変化を、より高精度に観察できます。これにより、早期の胃がん食道がんを発見するように努めております。

実際の胃カメラ検査の流れを、カメラ予約が午前の場合を例にご説明します。
(*慢性疾患などの治療ため定時薬がある方は、事前に医師にご相談ください。休薬の必要がある薬もあります。また、午後の検査の場合は朝食まで食べて頂いても大丈夫な場合もございます。詳しくは当院スタッフまでお尋ねください。)

検査前日

前日の夕食は、夜9時までにしてください。食事の内容に特に制限はありませんが、消化の良いものを取るようにしてください。
ただし、アルコールは避けてください。水分摂取は、水・お茶・スポーツドリンクの摂取は可能です。

検査当日

当日は、朝ごはんは食べずに来てください。
水分(お茶やお水などの透明な飲料水)は、検査当日の午前6時半まで可能です。
コーヒーなど色の濃い飲み物は避けてください。午後の検査の場合は朝食を食べて良い場合もございます。詳しくは当院スタッフまでお尋ねください。

検査の流れ
  1. 血圧測定
  2. 消泡剤を飲みます。
  3. 鼻から麻酔スプレーをします。
  4. 麻酔薬用の点滴ルートを確保します。
  5. 鼻に麻酔をします。
  6. 喉に麻酔をします。
  7. 麻酔薬を静脈から入れます。
  8. 鼻から胃カメラを挿入します。
  9. 検査終了後、麻酔から目覚めて元気になったら30~60分後に帰宅していただきます。

※麻酔薬を使用しない通常の胃カメラ検査も行っています

5 診療費用

当院は全て保険診療です。
初診の診療費用は薬代を除き、おおよそ下記のようになります。(3割負担)

尿検査のみ 2000円前後
エコー検査のみ 2500円前後
採血+尿検査 3500円前後
採血+尿検査+エコー検査 5000円前後
CT検査 5000円前後
胃カメラ 4000円前後
大腸カメラ 5000円前後

当院では、患者さん全員を番号でお呼びし、全席に仕切りを設けてプライバシーに配慮した診療を行い、経験豊かな専門医が患者さんに寄り添う診察を心がけております。
痛みがない胃カメラを受けたいという方は、池袋消化器内科・泌尿器科クリニックにお気軽にご相談ください。

この記事を執筆した人
久田裕也

名古屋大学出身
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
内科認定医
肝臓、胆嚢、膵臓から胃カメラ、大腸カメラまで消化器疾患を中心に幅広く診療を行っている。

池袋院

大宮院

新橋院

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