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梅毒

皆さんは梅毒をご存知でしょうか? 「梅毒」と聞いても多くの方が、昔の病気という認識を持っていると思います。しかし、近年、梅毒は急増しており、2021年の感染者は7000人以上に増え、過去10年で最多となりました。
そういった状況を裏付けるように当院でも梅毒の患者さんが増えています。
梅毒は、治療すればこれまでの生活を送ることができる疾患ですのでこの機会に梅毒について正しく知っていただければ幸いです。

♦︎目次♦︎

1 梅毒とは
2 梅毒の症状
2.1 梅毒の潜伏期間
2.2 第1期(感染から3週間後)
2.3 第2期(感染から3カ月後)
2.4 第3期(感染から3年以上)
2.5 第4期(末期症状)
3 梅毒の検査
4 梅毒の治療
4.1 ペニシリンの内服
4.2 ミノサイクリンの内服
4.3 ステルイズ筋肉注射
5 梅毒の症例
6 診療費用

1 梅毒とは

梅毒は、梅毒トレポネ−マ(Treponema pallidum )を病原体とし、粘膜から感染する性感染症です。感染経路のほとんどはセックス、オーラルセックス、アナルセックスなどの性行為です。非常に稀ではありますが、傷口などから梅毒トレポネ−マが侵入し感染することもあります。それ以外の日常生活で感染することはありません。


日本で最初に梅毒の感染が広がったのは、日本では戦国時代と言われています。江戸時代にも梅毒の流行は収まらず、『解体新書』にも梅毒について『患者1000人中の700〜800人が梅毒患者だった』と記されています。その当時は『不治の病』と恐れられた梅毒ですが1943 年にペニシリンによる梅毒の治療に成功し、梅毒は治療できる疾患となりました。しかし、放置すれば症状は全身に広がり、死に至ることもある怖い感染症です。日本では梅毒は5類感染症に分類され、梅毒を診断した医師は保健所に7日以内に届け出ることが義務付けられています。

2 梅毒の症状

2.1 梅毒の潜伏期間

梅毒トレポネ−マに感染した時点から3週間前後の潜伏期間を経て発症します。発症後、梅毒の症状は3週間後、3カ月後、3年後と変化していきますが、進行に伴い一時的に症状が消える時期があり、治ったと思い放置し、重症化して慌てて医療機関を受診するというケースもあります。

2.2 第1期(感染から3週間後)

第1期には、主に下記の3つの症状が現れますが、これらの症状は、放置していると2~3週間で消失します。そのため、単に皮膚炎等が治ったと勘違いし、梅毒に感染していることに気がつかないケースも多くあります。

① 初期硬結

感染部位に小豆~小指程度の痛みがないニキビのようなしこりができます。軟骨程度の硬さで、しこりの中心部ほど硬く盛り上がっています。

② リンパ節の腫れ

感染部位に近いリンパ節が腫れることがありますが、ほとんどは痛みがありません。

③ 硬性下疳(こうせいげかん)

感染部位に潰瘍のようなただれが生じますが痛みはありません。

 

これらの症状の発生部位は、男性では、亀頭・陰茎・冠状溝(亀頭と陰茎の間の部分)、陰茎や陰嚢に近い皮膚などが多く、女性では、膣や大陰唇・小陰唇、その周辺の皮膚です。また、性器の症状だけではなく、口内の粘膜や咽頭粘膜にも症状が現れることもあります。

2.3 第2期(感染から3カ月後)

全身のリンパ節の腫れや熱、倦怠感、関節痛など風邪のような症状が現れます。下記のような症状が現れ、3カ月から3年で自然に消え、その後はしばらく無症状が続きます。

① 梅毒性バラ疹

第2期で最初に出てくる症状で1~3㎝ほどのピンク色のアザが体幹を中心に、顔面・四肢にできます。湿疹が薔薇の花びらのように見えることから、バラ疹と呼ばれます。痒みや痛みはありません。

② 丘疹性梅毒(きゅしんせいばいどく)

  5~10㎜程度の赤茶色のぶつぶつが体幹や顔面、四肢に広がります。

③ 梅毒性乾癬(ばいどくせいかんせん) 

1㎝前後の円形で赤茶色の濡れた発疹が手のひらや足の裏にできます。発生部分の皮膚がフケのように剥けたりすることもありますが痛みや痒みはありません。

④ 膿疱性梅毒(のうほうせいばいどく) 

膿を含んだ白~黄色のイボのような発疹が体幹や顔面、四肢に現れます。

⑤ 扁平コンジローマ(へんぺいこんじろーま) 

ピンク~灰白色の扁平状のイボで表面がザラザラしています。肛門や陰部周囲に好発します。

2.4 第3期(感染から3年以上)

結節性梅毒疹やゴム腫と呼ばれるしこりが皮下組織にできます。ゴム腫は組織を破壊します。梅毒が恐れられていた時代に『鼻がもげる』と言われたように、ゴム腫によって鼻の骨が破壊され、鼻の形が崩れてしまうということもあります。

2.5 第4期(末期症状)

心臓、血管、神経、目などに重い障害が出て死に至ることもあります。

 

現代では、梅毒の治療法が進歩し、第3期まで進行する例はほとんどありません。当院関連施設でも1期、2期までの患者様が来院されてます。3期の患者様にお会いした医師は当院関連施設ではおりません。適切な治療によって第2期までの梅毒は治癒しております。

3 梅毒の検査

梅毒は採血検査によって調べることができ、RPR法・TPHA法を用います。RPR(非トレポネーマ脂質抗体)とTPHA(梅毒トレポネーマ抗体)の定性検査を同時に測定します。TPHAは一度、梅毒になると治療の有無にかかわらず、その後も高いままの状態です。PRPは、治療によって回復すると抗体は下がります

  TPHA法 PRP法
検査可能時期 感染機会から4週間以降 感染機会から2週間以降
特異度 梅毒のみに陽性 自己免疫疾患等でも陽性
抗体値 一度感染すると高値のまま 治療後は下がる

4 梅毒の治療

4.1 ペニシリンの内服

抗生物質のペニシリンを内服します。治療期間が長いため、根気よく継続することが重要です。

  1. 第1期梅毒:2~4週間
  2. 第2期梅毒:4~8週間
  3. 第3期以降:8〜12週間

4.2 ミノサイクリンの内服

ペニシリンの服用で効果がなかった場合やペニシリンにアレルギーがある場合には、ミノサイクリンという抗生物質を服用します。治療期間は、ペニシリンと同様です。

*ペニシリン、ミノサイクリンの内服による治療では、服用終了から1ヶ月後に採血検査を行い、効果を判定します。

4.3 ステルイズ筋肉注射

ステルイズ筋肉注射は、2021年9月に承認された持続性ペニシリン製剤です。1回の筋肉注射で治療が完了するため、患者さんにとって負担が少ない治療と言えます。抗生物質の内服治療では、治療途中で治療を脱落する(止めてしまう)ケースがあり、そういったリスクを回避できる点が大きなメリットと言えます。

*治療法については医師にご相談ください。

5 梅毒の症例

梅毒の実際の症例をご紹介します(患者様の了解を得て、ご紹介しております。)

症例1 30歳代男性

陰茎に潰瘍があり、梅毒を疑って受診されました。風俗で頻繁に性行為を行なっているという経緯がありました。受診時の検査では、RPRの値が32と高値であり、梅毒と診断し抗生物質ペニシリンの内服治療を1ヶ月行いました。その後、RPRは10まで下がり治癒と判定しました。その後も定期的な検診を行い、半年後も再発はありません。

症例1の画像はこちら

症例2 20歳台男性

手足に発疹があり受診されましたが、その1ヶ月前には陰茎にも発疹があり、自然に消えたので安心していたというお話があり、発疹の形状と経過から梅毒を疑い採血検査を行ったところ、初診でのRPRが120でした。抗生物質ペニシリンの内服治療を2ヶ月行なって、RPRは22まで下がり、治癒と判定しました。その後も定期的な検診を行い、経過観察を続けておりますが再発はありません。

症例2の画像はこちら

6 診療費用

梅毒の疑いによる受診の場合で、初診:3000円〜4000円前後となります。また、他の性感染症を併発している可能性もあるため他の性病検査を一緒に受ける場合には、検査の項目に応じて価格が変わります。詳しくは医師にご質問ください。

クラミジア淋菌の検査・治療費用 3000円~4000円
梅毒の検査・治療費用 3000円~4000円
尖圭コンジローマの検査・治療費用 薬治療 1000円~2000円
電気メスによる切除 4000円~6000円
トリコモナスの検査治療費用 3000円~4000円
マイコプラズマ・ウレアプラズマの検査費用 自費検査 9000円

HIV感染症の検査費用

自費検査

4400円
性器ヘルペスの検査・治療費用 3000~5000円
淋病の検査・治療費用 3000~4000円

当院では、患者さん全員を番号でお呼びし、全席に仕切りを設けてプライバシーにに配慮した診療を行い、経験豊かな専門医が患者さんに寄り添う診察を心がけております。
陰部や体に痛みがない発疹がある、梅毒や性感染症について不安があるという方は、池袋消化器内科・泌尿器科クリニックにお気軽にご相談ください。

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