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脂質異常症(健診でLDL(悪玉)コレステロール、中性脂肪が高いと指摘)

健康診断で『脂質異常症』と指摘され、精密検査のため当院を受診する患者さんの中で「全く自覚症状がなく、元気そのものなのに治療の必要があるんですか?」とおっしゃる方が少なくありません。しかし、無症状だからと放置すると脂質異常症は静かに進行し動脈硬化となり心筋梗塞(心臓の血管が詰まる病気)や脳梗塞(脳の血管が詰まる病気)などを引き起こし、最悪の場合、死に至る可能性があります。
脂質異常症は生活習慣病の一つで予防できる疾患です。この記事では、脂質異常症について詳しく解説していきますので、参考にしていただければ幸いです。

◆目次◆

1 脂質異常症とは
 1.1  脂質異常症とは何か
 1.2 どのような人が脂質異常症になりやすいか
 1.3 脂質異常症に遺伝性はあるのか
 1.4  脂質異常症を放置するとどうなるか
  1.4.1 動脈硬化とは
  1.4.2 心臓疾患、脳血管疾患につながる
2 脂質異常症の検査
 2.1 問診
 2.2 採血検査
3 脂質異常症の治療
 3.1 食事療法
 3.2 運動療法
 3.3 薬物療法
4 診療費用

1 脂質異常症とは

1.1 脂質異常症とは何か

脂質異常症とは、「コレステロール」や「中性脂肪(トリグリセライドなど)」などの血中の脂質の濃度が高い状態のことを言います。大きく分けて次の3つのタイプがあり、脂質異常症の診断の指標となる血液中の脂質成分は、血液中の中性脂肪(トリグリセライド)、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)の3つです。これらの3つのうち1つでも基準値から外れると脂質異常症と診断されます。基準となる検査数値は以下の表に示す通りです。 

脂肪異常症の判断基準(空腹時採血)
高LDL
コレステロール血症
LDLコレステロール 140mg/dL以上
低HDL
コレステロール血症
HDLコレステロール 40mg/dL未満
高トリグリセライド血症 中性脂肪
(トリグリセライド)
150mg/dL以上

1.2どのような人が脂質異常症になりやすいか

脂質異常症の原因の多くは、生活習慣、食習慣にあり、慢性的にカロリー過多の傾向にある人は、脂質異常症になり易いといえます。下記に当てはまる人は要注意です。

食習慣の乱れがある

脂質異常症の原因は1つではなく、複数の因子が重なっていることが多くあります。中でも動物性脂肪やコレステロールを多く含む食品の過剰摂取は注意が必要です。また、甘いものが好きと言う方やアルコールを多く飲む方もカロリー過多になり易い傾向にあるので要注意です。

肝機能障害がある

コレステロールは、食事から取り入れる他に糖や脂肪を使って肝臓などで合成され、その量は体内でうまく調整されています。そのため、肝機能障害が脂質異常症の原因となることがあります。アルコールの過剰摂取や過労などは、肝機能を低下させる可能性があり注意が必要です。

運動不足がある

脂質異常症の診断の指標の一つである中性脂肪は、運動不足によって増加する傾向にあります。中性脂肪は食事によって取り込んだエネルギーが過剰となった場合に肝臓で合成され、皮下脂肪として蓄えられる仕組みのため、消費エネルギーが摂取エネルギーよりも下回ると増えてしまいます。

1.3 脂質異常症に遺伝性はあるのか

生活習慣などが原因で起きる脂質異常症とは異なり、遺伝による家族性高コレステロール血症という脂質異常症があり、指定難病となっています。家族性高コレステロール血症は、遺伝子異常により血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が血液の中に異常に増えてしまう病気です。家族性高コレステロール血症には特徴的な症状があり、脂肪の塊が手足の腱や皮膚にできたり、コレステロールの白い色素が黒目のふちに沿って沈着し、白い輪のようにみえるなどの症状が表れ、特に小児期に顕著に進行する傾向にあります。そういった症状を疑った場合は、速やかに医療機関を受診して下さい。家族性高コレステロール血症は遺伝するため、ご両親のどちらかにある場合、2分の1の確率でお子様に遺伝します。

1.4 脂質異常症を放置するとどうなるか

1.4.1 動脈硬化とは

健康な血管は弾力があり血液もサラサラと流れ、血圧の変動にも柔軟に耐えることができます。これに対し、脂質異常症によりコレステロールの濃度が高くなり、コレステロールが血管壁に沈着することで血管壁が厚く、硬くなった状態を動脈硬化といいます。動脈硬化となった血管では弾力を失い、血液もドロドロと流れが悪くなり、さらにコレステロールが増えていくと血管の内腔が狭くなっていきます。

1.4.2 心臓疾患、脳血管疾患につながる

前述した動脈硬化が進むと、心臓や脳など様々な臓器に栄養を送る血管の内腔が狭くなり、血流が少なくなっていきます。さらに悪化し、完全に血管が詰まってしまうと脳梗塞(脳の血管が詰まって閉塞する病気)や脳出血(脳の血管が破れて出血する病気)、心筋梗塞(心臓の血管が詰まって閉塞する病気)、狭心症(一時的に心臓の血管が閉塞し、その後閉塞が解除される病気。一時的に胸痛が出現する)といった命を脅かす病気を引き起こします。

2 脂質異常症の検査

2.1 問診

問診では、診断する上で判断材料となる「両親の既往歴」(脂質異常症、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症などの有無)を伺い、患者さんの身長体重等を測定します。

2.2 採血検査

脂質異常症の診断では、採血検査が必須となります。血液中の中性脂肪(トリグリセライド)、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を調べます。それぞれの検査値を単独に評価するのではなく、LDLコレステロールとHDLレステロールの比率もみて治療が必要あるかを判断します。

2.3 超音波検査

超音波検査は放射線を使わない安全で簡単な検査です。肝機能障害が原因で脂質異常症をとなるケースもあり、特に肝臓に脂肪が溜まる脂肪肝を合併しているケースがあるためエコー検査で調べます。脂肪肝に気づかずに飲酒や高カロリー食を続けると症状が進み、肝硬変(肝臓の機能が悪化して戻らなくなる病気、肝臓の表面が凸凹になる)を引き起こし、さらに肝硬変は肝臓癌に繋がる可能性があるため脂肪肝を調べることは重要です。

3 脂質異常症の治療

3.1 食事療法

中性脂肪が高い人は

中性脂肪は、食事によって取り込んだエネルギーが過剰となり皮下脂肪として蓄えられるため、腹八分目を心掛け、食べ過ぎに注意して下さい。野菜の多い和食中心の食事を心がけ間食や夜遅くに食べることは、控えるようにしましょう。

LDLの高い人は

コレステロールが高い人は、食事に含まれるコレステロールの量に注意しましょう。日本人の食事摂取基準(2020年版)では、脂質異常症の進行を予防するには、コレステロールを200㎎/日未満に留めることが望ましいとしています。

食物繊維を多く含む野菜や豆類、海藻などはいずれの脂質異常症にも効果が期待できますので積極的に摂取するとよいでしょう。下記の表を参考に食事内容を見直してみてください。

3.2 運動療法

ウォーキング、もしくはジョギングなどの有酸素運動により中性脂肪を減らし、さらにHDL(善玉)コレステロールを増やすことができます。1日30分程度の運動を毎日行うことが理想ですが、難しい場合には週2−3回から初めてみてはいかがでしょうか。

3.3 薬物療法

コレステロール、中性脂肪ともに生活習慣の改善、食事療法、運動療法をしても治らない場合には、以下に示すような薬物療法が適用となります。但し、薬物療法を行っても同時に食事療法、運動療法を続けることが重要です。

薬の種類 LDL
(悪玉コレステロール)
HDL
(善玉コレステロール)
トリグリセライド
(中性脂肪)
HMG-CoA
還元酵素阻害薬
下げる
+++
上げる
+
下げる
+
陰イオン交換樹脂 下げる
++
上げる
+
小腸トランスポーター
阻害薬
下げる
++
上げる
+
下げる
+
フィブラート系 下げる
+
上げる
++
下げる
+++
イコサベント酸
エテル
下げる
+

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4 診療費用

 

池袋消化器内科泌尿器科クリニックは、消化器科泌尿器科の専門クリニックですが、内科の生活習慣病の治療もしております。検診で指摘された方、御自分のコレステロールが気になる方は、是非、当院にご相談ください。

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