メニュー

膵臓がん・膵癌

膵臓がん・膵癌は膵臓にできる悪性腫瘍(=癌)のことです。膵癌は初期では無症状のことが多いため、診断した時点で手術ができない状態で発見されるケースが大半を占めると言われています。現在膵癌を早期発見する方法に関して定まったものはありませんが、膵癌発症のリスクが高いとされている人に対して定期的に検査を行っていくことが重要と考えられます。この記事では膵癌の病態、検査・治療法について解説しますので参考にしていただければ幸いです。

◆目次◆

1 膵臓がん・膵癌とは
2 膵癌の種類
3 膵癌の原因
4 膵癌の症状
5 膵癌の検査
 5.1 血液検査
 5.2 腹部超音波検査
 5.3 造影CT検査
 5.4 その他の検査
6 膵癌の治療
7 診療費用

1膵臓がん・膵癌とは

膵臓がん・膵癌は胃の背中側にある長さは約15~20cmの細長い臓器です。体の右側から左側に向かって膵頭部、膵体部、膵尾部と3つの領域に分けられています。役割は外分泌機能と内分泌機能に分けられ、外分泌機能の主なものは食べ物を消化するための膵液を分泌し、内分泌機能の主なものは血糖値を下げるインスリンやその他様々なホルモンを分泌します。

2膵癌の種類

膵癌は膵臓にできる悪性腫瘍の総称で、膵癌のうち9割以上は膵液が流れる管である膵管に発生する浸潤性膵管癌が占めています。その他に膵嚢胞性病変の一つである膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)が癌化した膵管内乳頭粘液性癌や神経内分泌腫瘍が癌化した神経内分泌癌などがあります。

3膵癌の原因

今のところ膵癌の原因に関してははっきりしたことは分かっていません。膵癌の危険因子として知られているものは、膵癌の家族歴、遺伝性膵炎、遺伝性膵癌症候群、糖尿病、慢性膵炎、IPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)、肥満、喫煙などがあります。このような危険因子を持っている方に対し定期的検査を行うことが重要と考えられます。

4 膵癌の症状

膵癌は胃の背中側にあり初期には無症状のことが多いため、早期発見が極めて難しい癌と言われています。進行してくるとお腹や背中の痛み、食欲低下、体重減少といった他の病気でも起こる症状が出てきます。また膵頭部にできた癌が進行してくると胆汁の通り道をせき止めて黄疸が出現し(閉塞性黄疸)、白目が黄色くなったり、尿が濃くなったり、便が白くなったり、皮膚のかゆみが出ることがあります。その他、新しく糖尿病と診断されたり、もともとの糖尿病のコントロールが急激に悪くなることもあります。

5 膵癌の検査

5.1 血液検査

血液検査では、膵臓の酵素の値(アミラーゼ、リパーゼなど)であったり、糖尿病の値(HbA1c、血糖値)、腫瘍マーカー(CEA、CA19-9)を測定します。腫瘍マーカーは癌の勢いや進行度を反映すると言われていますが、癌があっても上がらないことがあったり、癌がなくても上がることがあり、あくまで画像検査が診断の中心となります。

5.2腹部超音波検査

腹部超音波検査は、放射線を浴びず体の痛みもほとんどない検査で、体の負担が少なく有用な検査法です。ただし膵臓は胃の背中側にあり、胃や腸のガスの影響を受けると見えづらくなるため、膵臓の全体を詳しく調べることは難しいと言われています。当院でも腹部超音波検査は行っております。

5.3造影CT検査

造影CT検査は、造影剤を血管内に注射してX線で断層写真を撮ることで、膵臓や体全体を詳しく調べ、癌の大きさ・広がりを調べることができ、腹部超音波検査などで膵癌が疑われる場合では続いて第一に考慮される検査です。ただし放射線を浴びる検査になることと、腎臓の機能が弱っている方やヨードアレルギーがある方は造影剤の使用ができない場合があります。造影剤を使用しない単純CT検査では腫瘍と正常の膵臓のコントラストが付きにくい場合があり、診断に制限があります。当院では造影CT検査を行っております。詳しくは当院医師までお尋ね下さい。

5.4その他の検査

その他の検査としてMRI検査や超音波内視鏡検査、内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査があります。(いずれも当院では行っておりません)。

6 膵癌の治療

膵癌の場合は、患者さん自身の体力や健康状態を踏まえた上で、癌が膵臓の近くの主要な血管へ及んでいるか、遠くの臓器に広がっている(転移)かの有無により治療方針が決定されます。

癌が主要な血管に及んでおらず転移がない場合は、手術が唯一の根治的(完治する可能性のある)治療となります。最近では手術の前後で化学療法(抗癌剤)を行うことで膵癌が根治する可能性が高まると報告されています。

癌が主要な血管に及んでいたり転移がある場合には化学療法(抗癌剤)や放射線治療が選択されます。

7 診療費用

当院は全て保険診療です。
初診の診療費用は薬代を除き、おおよそ下記のようになります。(3割負担)

尿検査のみ 2000円前後
エコー検査のみ 2500円前後
採血+尿検査 3500円前後
採血+尿検査+エコー検査 5000円前後
CT検査 5000円前後
胃カメラ 4000円前後
大腸カメラ 5000円前後

当院では、患者さん全員を番号でお呼びし、全席に仕切りを設けてプライバシーに配慮した診療を行い、経験豊かな専門医が患者さんに寄り添う診察を心がけております。池袋消化器内科・泌尿器科クリニックにお気軽にご相談ください。

この記事を執筆した人
久田裕也

名古屋大学出身
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
内科認定医
肝臓、胆嚢、膵臓から胃カメラ、大腸カメラまで消化器疾患を中心に幅広く診療を行っている。

池袋院

大宮院

新橋院

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME