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尿漏れについて(尿失禁、尿が漏れる)

このページでは尿漏れ、尿失禁についてご説明致します。
尿漏れ、尿失禁のお悩みは家族や友人にも相談することができず、また病院でどこの科に相談したらいいのかわからずに困っている方が多くいらっしゃいます。
今回は尿漏れ、尿失禁についてなるべく専門用語を使わずに簡単な言葉で説明していきます。気になっている方は是非ご一読ください。

◆目次◆

1 尿漏れとは
2 尿漏れの種類
3 腹圧性尿失禁(咳やくしゃみなどで尿が漏れる)
 3.1 腹圧性尿失禁とは
 3.2 腹圧性尿失禁の原因
 3.3 腹圧性尿失禁の治療
4 切迫性尿失禁(トイレまで我慢できずに尿が漏れる)
 4.1 切迫性尿失禁とは
 4.2 切迫性尿失禁の原因
 4.3 切迫性尿失禁の治療
5 混合性尿失禁(切迫性と腹圧性の合併)
 5.1 混合性尿失禁とは
 5.2 混合性尿失禁の原因
 5.3 混合性尿失禁の治療
6 溢流生尿失禁(溢れ出て尿が漏れる)
 6.1 溢流生尿失禁とは
 6.2 溢流生尿失禁の原因
 6.3 溢流生尿失禁の治療
7 尿失禁の検査
 7.1 尿検査
 7.2 採血検査
 7.3 超音波検査
 7.4 CT検査
 7.5 膀胱鏡検査
8 診察費用

 

1 尿漏れとは

尿漏れと尿失禁は同じ意味で使われます。通常、尿は尿道から自分の意思で意図的に出すものです。これに対して何かしらの原因で尿が意図せずに漏れ出てしまうことを尿漏れ、尿失禁といいます。尿漏れ、尿失禁に悩んでいる方は老若男女いらっしゃいます。特に40歳を超えた女性の3人〜4人に一人は尿漏れ、尿失禁に悩まされているといわれています。若い女性でもくしゃみをした時などに尿が漏れてしまうことはあります。これは全く恥ずかしいことではありません。当クリニックの泌尿器科ではそのようなお悩みに真摯に対応致します。

2 尿漏れの種類

尿漏れ、尿失禁の種類は大きく分けて以下の4つがあげられます。

  • 腹圧性尿失禁(咳やくしゃみなどで尿が漏れる)
  • 切迫性尿失禁(トイレまで我慢できずに尿が漏れる)
  • 混合性尿失禁(切迫性と腹圧性の合併)
  • 溢流生尿失禁(溢れ出て尿が漏れる)

各々に関して詳しく説明していきたいと思います。

3 腹圧性尿失禁(咳やくしゃみなどで尿が漏れる)

3.1 腹圧性尿失禁とは

くしゃみや咳をしたとき、歩いたり走ったりしたときにグッと圧力がお腹にかかることがあります。この時にお腹にかかった圧力が膀胱を押します。更に押し出された膀胱の圧力が、尿道を締めている筋肉(尿道括約筋(にょうどうかつやくきん))の締める力よりも強かった場合に尿が漏れ出てしまいます。要するに腹圧性尿失禁とは、お腹の圧力によって尿が漏れてしまうことです。

3.2 腹圧性尿失禁の原因

女性の場合は主に経産婦さんに見られます。出産を機に尿道を締めている筋肉(尿道括約筋)が弱くなって腹圧性尿失禁になってしまうことがあります。男性の場合は前立腺がんや前立腺肥大症の手術後に尿道括約筋が傷付いてしまって、腹圧性尿失禁になりやすいとされています。

3.3 腹圧性尿失禁の治療

女性の腹圧性尿失禁の場合は基本的には骨盤底筋体操とお薬の服用になります。男性の前立腺がんの術後の場合には手術で人口括約筋をつける場合もありますが、非常に専門的な手術になりますのでそのような処置が必要な場合にはこちらから紹介させていただくことになります。


女性でもお薬や体操で効果が出ない場合は手術治療になります。最近では効果の高い腹圧性尿失禁の手術が増えてきていますので必要に応じて紹介させていただきます。

4 切迫性尿失禁(トイレまで我慢できずに尿が漏れる)

4.1 切迫性尿失禁とは

切迫性尿失禁とは、トイレに行きたいと思ってトイレに行こうとするのですが、我慢できずに尿が漏れてしまうことです。急に尿意に襲われる尿意切迫感が強くなって尿が漏れやすくなってしまいます。

4.2 切迫性尿失禁の原因

女性の場合は過活動膀胱の方、男性の場合は前立腺肥大症の方に多くみられます。また膀胱炎膀胱がん尿管結石などでも切迫性尿失禁が起こる場合があります。

4.3 切迫性尿失禁の治療

過活動膀胱が切迫性尿失禁の原因の場合には内服薬と骨盤底筋体操をします。それでも効果が見られない場合にはボツリヌス毒素(ボトックス)の膀胱内注入療法を行います。当院でもボツリヌス毒素(ボトックス)の膀胱内注入療法は行っております。その他前立腺肥大症や膀胱炎、膀胱がん、尿管結石などが原因の切迫性尿失禁の治療は各々の病気に準じた治療をします。
詳しくは泌尿器科専門医までお尋ねください。

5 混合性尿失禁(腹圧性と切迫性の合併)

5.1 混合性尿失禁とは

混合性尿失禁とは上記に述べた腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁を合併した状態です。

5.2 混合性尿失禁の原因

40歳以上の女性に多くみられ、出産がきっかけとなって腹圧性尿失禁になってしまい、さらに過活動膀胱がある場合には混合性尿失禁と呼ばれる状態になります。

5.3 混合性尿失禁の治療

腹圧性尿失禁の治療と切迫性尿失禁の治療をそれぞれするのか、どちらかの治療をメインにしていくのかはその患者さんの状態により変わってきます。どちらの場合でも基本はお薬と骨盤底筋体操、それでも改善しないなら手術という順序になります。詳しくは泌尿器科専門医までお尋ねください。

6 溢流生(いつりゅうせい)尿失禁(溢れ出て尿が漏れる)

6.1 溢流生尿失禁とは

尿閉のイメージ図

読んで字のごとくですが、尿が溢れ出てきてしまう失禁です。尿がうまく出せない尿閉という状態で尿が膀胱内に溜まりすぎることで膀胱の圧力が高くなり溢れ出てしまいます。少し漏れ出ると膀胱の圧力は下がるのですが、再び尿が溜まってくることで膀胱の圧力が上がってきて尿が漏れ出るという状態を繰り返します。

6.2 溢流生尿失禁の原因

主な原因としては高度な前立腺肥大症の患者様や尿道狭窄という尿道が狭くなっている状態の患者様に多く見られます。

6.3 溢流生尿失禁の治療

前立腺肥大症であればお薬の服用をします。それでも改善しなければ手術になります。前立腺肥大症の手術は最近では経尿道的内視鏡的治療(尿道からカメラを挿入し、前立腺を切除します)で皮膚を切ることがなく身体にあまり害のない手術になっております。
また、尿道狭窄であれば尿道を広げるような手術をすることになります。

7 尿失禁の検査

7.1 尿検査

尿検査ではおしっこの中に白血球や赤血球がないか、ばい菌や細菌やがん細胞はないか、膀胱炎がないかなどを調べます。泌尿器科では尿検査は非常に大事な検査になっています。

7.2 採血検査

採血検査では前立腺がんがないか(PSA検査)、腎臓の機能が低下していないか、炎症が起きていないかなどを調べる大事な検査です。

7.3 超音波検査

超音波検査は膀胱の中にできものができていないか、腎臓は腫れていないか、前立腺の肥大はないか、尿管結石や膀胱結石がないかなどを調べます。超音波検査は痛みもなく簡単に行える体に害のない有用な検査です。

7.4 CT検査

CT検査では尿管結石の判明がすぐにでき、膀胱を圧迫しているものがないかなどもわかります。多少の被曝はしますが、骨盤内や結石などお腹の中の異常がすぐにわかる非常に有用な検査です。CT検査は当院でも行っております。

7.5 膀胱鏡検査

膀胱の中にがんや結石を疑った時は膀胱鏡検査を行います。また膀胱鏡検査では尿道狭窄がないかもわかります。当院では軟性膀胱鏡を使用しており、身体に負担やダメージが少ない検査となっております。

8 診察費用

下記のようになっております。

尿検査のみ 2000円前後
エコー検査のみ 2500円前後
採血+尿検査 3500円前後
採血+尿検査+エコー検査 5000円前後
膀胱鏡 4000円前後
CT検査 5000円前後

池袋消化器内科・泌尿器科クリニックは消化器内科と泌尿器科の専門クリニックです。
当院ではプライバシー対策と感染対策を徹底して診療しております。
消化器や泌尿器の病気のことでお悩みの方は当院医師までお尋ね下さい。
池袋駅前でお待ちしております。

執筆 泌尿器科専門医 伊勢呂哲也

池袋院

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