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過敏性腸症候群(腹痛・便秘・下痢を繰り返す)

毎朝、電車の中で腹痛があり、駅のトイレに駆け込む。営業や会議の前になるとお腹がゴロゴロ鳴り出す...しかしながら、帰宅後に家でリラックスしている時や休日には腹痛がないため我慢している。近年、このような症状に悩む人が増えています。しかし、「病院へ行くほどではないかも...」と放置している人も少なくありません。

実は、その症状は過敏性腸症候群(IBS)という病気の可能性が高く、正しい治療が必要です。過敏性腸症候群は治療により日常生活を快適に送ることが可能なのです。この記事では、過敏性腸症候群について解説しますので、普段からお腹が弱いと感じている方は、ぜひ参考にしていただけると幸いです。

♦︎目次♦︎

1.過敏性腸症候群とは
 1.1 過敏性腸症候群の症状
 1.2 過敏性腸症候群の原因
2. 過敏性腸症候群の検査
 2.1 問診
 2.2 血液検査
 2.3 尿検査
 2.4 便潜血検査
 2.5 腹部レントゲン検査
 2.6 大腸内視鏡検査
 2.7 腹部CT検査
 2.8 超音波検査
3. 過敏性腸症候群の予防と治療
 3.1 過敏性腸症候群の予防
 3.2 過敏性腸症候群の治療
4. 他の疾患の可能性
5. 診療費用

1.過敏性腸症候群とは

過敏性腸症候群とは、内視鏡などの検査を行なっても大腸や小腸に炎症などの異常は認められないにもかかわらず、慢性的に腹部の違和感や腹痛があり、その症状が下痢や便秘と関連している病気です。過敏性腸症候群に悩む患者は増加傾向にあり、その患者数は日本人の約5-10人に1人と推測され、10-30代の若い世代に多い傾向にあります。
過敏性腸症候群の大きな特徴は、検査を行なっても腸に潰瘍や炎症などの異常はなく、その原因は食生活、生活習慣やストレスなど様々な要因が重なっており、現代病と考えられています。

1.1過敏性腸症候群の症状

過敏性腸症候群は、腸が過敏な状態となり、便通異常をきたしますが、その症状は大きく4つに分けられます。

便秘型

腹痛を伴う排便困難が特徴で、いきんでも便が出にくく、ウサギの糞のように小さくコロコロとした硬い便が少量しか出ない、便秘症状がみられます。

下痢型

緊張などのストレスがきっかけとなり激しい腹痛を伴う下痢が1日に何度か起きますが、排便後は痛みが落ち着きます。

混合型

便秘型と下痢型が繰り返し起きます。

分類不能型

上記の3つの分類に当てはまらないタイプで腸内のガス発生に伴う膨満感や腹鳴、おならなどの症状が多発します。

1.2過敏性腸症候群の原因

過敏性腸症候群の原因についてはまだ分かっていないことが多くありますが、腸内細菌叢のバランス、食事内容、ストレスなどさまざまな要因が発症に関与していると考えられています。私たちが食べたものは、腸で消化吸収され、不要となった物は便として体の外に排泄されます。便は腸の蠕動運動(腸が伸びたり縮んだりをくり返す動き)によって肛門まで移動し排泄されます。過敏性腸症候群は、腸の蠕動運動が正常に機能しなくなり、下痢や便秘、腹痛などの症状を引き起こします。

2.過敏性腸症候群の検査

「過敏性腸症候群」の診断では、症状の経過を詳しく知ることが非常に重要となるため受診の際は、問診にご協力ください。診断には、国際的診断基準であるローマ基準Ⅳを指標とし、必要に応じた検査を行います。

ローマ基準Ⅳ

6ヶ月以上前から腹部の症状があり、直近3ヶ月間で月4日以上腹痛があり、さらに下記の症状に2つ以上当てはまる場合に過敏性大腸症候群と診断されます。

  • 排便と症状が関連する
  • 排便頻度の変化を伴う
  • 便性状の変化を伴う

ローマ基準Ⅳを診断基準としますが、確定診断には下記の検査を行います。

2.1 問診

いつから症状が始まったか、下痢や便秘、腹痛のパターンや頻度を詳しくヒアリングします。

2.2 血液検査

貧血や炎症の有無を調べ、他の病気の可能性を調べます。また、甲状腺ホルモンの分泌異常によって下痢や便秘が起きることもあるため、甲状腺機ホルモンを調べます。

2.3 尿検査

尿検査では、尿蛋白や尿糖、尿潜血反応などを調べます。糖尿病の合併症で腹痛や吐き気が起きることがあるため、糖代謝異常を調べます。

2.4 便潜血検査

便に血液が認められた場合には、大腸ポリープや大腸がん等が疑われるため精密検査が必要となります。

2.5 腹部レントゲン検査

レントゲン画像では、腸内の便やガスの状態を確認することができます。当院でも行なっております。

2.6 大腸内視鏡検査

大腸ポリープや大腸癌などが疑われる場合に大腸内視鏡検査を行い、腸の内部を観察します。過敏性腸症候群を疑った場合でも、大腸内視鏡検査は大腸がんなどの否定をするためにも行った方が良い場合もあります。当院でも麻酔を使用した痛くない大腸カメラを行ってます詳しくは当院医師までお尋ねください。

2.7 腹部CT検査

前述した大腸内視鏡検査を行うには、大腸の中を空っぽにする必要があり、前日の夜は検査食を食べ、当日は下剤を服用する必要があるため、すぐに大腸内視鏡検査を受けることができない場合に腹部CTを行うことがあります。CT検査は腹痛の原因精査には極めて有効です。当院でもCT検査を行なっております。詳しくは当院医師までお尋ねください。

2.8 超音波検査

超音波検査では、他の臓器の疾患による症状の可能性もあるため、肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓などの臓器を観察します。
超音波検査は放射線被曝もなく身体に優しい非常に有効な検査です。

3.過敏性腸症候群の予防と治療

現代病と言われる過敏性腸症候群は、誰もが発症する可能性があります。そのリスクとなる因子を知り、予防の対策を講じることが重要です。また、発症した場合には、症状に合った治療を行うことで過敏性腸症候群の症状をコントロールし、QOLの低下を防ぐことができます。

3.1過敏性腸症候群の予防

①食事療法

炭水化物や脂質を多く含む食事、コーヒー、アルコール、香辛料などの刺激物を多く摂ることやストレス、不規則な生活習慣などが過敏性腸症候群の発症リスクとなります。感情表現が苦手でストレスを抱えやすい人に多く発症する傾向にあるとも言われます。
また、最近ではFODMAP食(フォドマップ食)が、過敏性腸症候群を悪化させる要因となっていることが分かっています。FODMAP食とは、小腸で吸収されにくく大腸で発酵しやすい糖質を含む食品の総称で、Fermentable(発酵性)のFと4つの糖の頭文字から作られた言葉です。

上記の4つの糖を多く含むものは高FODMAP食、少ないものは低FODMAP食と呼ばれます。腸に問題がない人にとってはFODMAP食を摂っても問題はありませんが、過敏性腸症候群の症状がある人では、高FODMAP食は消化・吸収されにくいため、下痢やお腹の張りなどの症状が悪化する傾向にあります。過敏性腸症候群の人は、低FODMAP食を心がけると良いでしょう。

  低FODMAP 高FODMAP
穀物 米、玄米、そば、米菓子(せんべい)など 玄米、小麦、ライ麦、とうもろこし、パスタ、ラーメン、うどん、そうめん、ケーキなど
野菜・イモ・きのこ・豆 トマト、にんじん、ナス、ピーマン、ほうれん草、じゃがいもなど アスパラガス、豆類、セロリ、さつまいも、玉ねぎ、ニンニク、カリフラワー、キノコなど
肉・魚介、
タンパク質を含む食品
牛肉、豚肉、鶏肉、魚介類、卵、ハム、ベーコンなど ソーセージ、絹ごし豆腐、豆乳など
ナッツ類 アーモンド、ヘーゼルナッツ(10粒まで)など アーモンド(20粒以上)、カシューナッツ、ピスタチオなど
調味料 塩、味噌、醤油、メープルシロップなど はちみつ、トマトケチャップ、ソルビトール等の人口甘味料
乳製品 バター、マーガリン(牛乳を含まない)、パルメザンチーズなど 牛乳、ヨーグルト、プロセスチーズ、クリームチーズなど
フルーツ バナナ、いちご、ぶどう、レモン、オレンジ、キウイフルーツなど りんご、桃、梨、グレープフルーツ、アボカド、ドライフルーツなど
②生活習慣の改善

十分な睡眠と適度な運動、ストレスの軽減が予防、治療ともに大切です。運動の習慣がないという方は、ウォーキングなど無理のない運動から始めると良いでしょう。
また、便意がなくとも朝食後はトイレに行き、排便習慣をつけるようにしましょう。

食事 日常生活 ストレス解消
  • 規則正しい食事
  • 暴飲暴食を避ける
  • 低FODMAP食を心がける
  • 刺激物を避ける
  • 喫煙を控える
  • 十分な休息と睡眠を取る
  • 朝食後は便意がなくてもトイレに行く
  • 適度な運動
  • 趣味などでリフレッシュ

3.2過敏性腸症候群の治療

①食事療法とストレス対策

低FODMAP食を意識し、暴飲暴食や刺激物を避け、バランスの良い食生活を心がけ、適度な運動と十分な睡眠を取ることも予防となります。また、過敏性腸症候群の大きな原因の一つはストレスであるためストレスマネジメントが重要となります。繰り返す症状とその状況を整理し、緊張や不安を感じる状況を避けるなどの工夫も大切です。

②薬物療法

  • 過敏性腸症候群の薬物療法では下記のような薬があり、その症状によって適切な薬を選択します。
  • 乳酸菌製剤 ・・・腸内環境を整えます。
  • 高分子重合体・・・水分を吸収して便の水分バランスを調整する作用があります。
  • セロトニン3型受容体拮抗薬・・・腸内のセロトニンの働きを抑え、腸の運動異常を改善し下痢や腹痛の症状を軽減します。
  • 消化管運動調節薬・・・消化管の運動を調整し、大腸の蠕動運動を抑え下痢や腹痛を改善します。
  • 下剤・・・腸の運動を活発にする下剤や便を柔らかくする下剤で便秘を解消します。
  • 抗コリン薬・・・腸の異常な運動を抑制させて腹痛を和らげます。
  • 漢方薬・・・体を温め筋肉の緊張をとる漢方や自律神経を整える漢方を使用します。代表的な漢方は桂枝加芍薬大黄湯、大建中湯、小建中湯、半夏瀉心湯などがあります。

4.他の疾患の可能性

ここまで過敏性腸症候群について解説してきましたが、当てはまる症状があるという方は、一度は最寄りの消化器内科を受診してください。
実は、過敏性腸症候群とよく似た症状が起きる疾患もあり、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸 疾患、大腸ポリープや大腸がんといった腫瘍性疾患などが隠れている場合があります。
また、症状の原因が糖尿病や甲状腺機能障害、精神神経疾患などの場合もあるため、放置せず受診することをお勧めします。

5.診療費用

当院は全て保険診療です。
初診の診療費用は薬代を除き、およそ下記のようになります。(3割負担です)

尿検査のみ 2000円前後
エコー検査のみ 2500円前後
採血+尿検査 3500円前後
採血+尿検査+エコー検査 5000円前後
胃カメラ 3500円前後
大腸カメラ 9000円前後
CT検査 5000円前後

当院では、患者さん全員を番号でお呼びし、全席に仕切りを設けてプライバシーにに配慮した診療を行い、経験豊かな専門医が患者さんに寄り添う診察を心がけております。
緊張すると腹痛が起きる、平日に下痢や便秘があるが休日には落ち着くという方は、池袋消化器内科・泌尿器科クリニックにお気軽にご相談ください。

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