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下痢を瞬時に治す⽅法5選

[2023.12.25]

はじめに

慢性的な下痢の症状はとてもつらいですよね。急にお腹が痛くなったり、便意が我慢できなかったりするため、外出を控えてしまうなど⽇常⽣活に⽀障が出る場合もあります。
今回の記事ではそんなつらい下痢の症状を起こさないために普段の⽣活の中で⼼がけることを5つ「便通異常症診療ガイドライン2023」を参考にお話しさせていただきます。慢性的な下痢の症状でお悩みの⽅の参考となれば幸いです。

 

そもそも下痢とは

下痢とは便の中の⽔分が過剰になった状態を⾔います。
⾷べたものは胃から⼩腸にドロドロの状態で運ばれ、⼤腸で⽔分の吸収が⾏われて固形の便が出来上がります。しかし何らかの原因で⽔分の吸収が⼗分⾏われなかったり、腸液が過剰に分泌されたりすると⽔分が過剰な便(下痢)となってしまいます。

2週間以上続く下痢は危険

ウイルス性腸炎や細菌性腸炎などによる急性的な下痢は数⽇で治りますが、それらの原因がないにも関わらず、2週間以上続く慢性的な下痢には注意が必要です。慢性的に⽣活習慣が乱れていたり、腸内細菌のバランスが乱れていたり、あるいは⼤腸がんや潰瘍性⼤腸炎や過敏性腸症候群などの⼤きな病気が隠れていたりする場合があります。
⻑引く下痢にお悩みの⽅はこれからお話しする「下痢を治す5つのポイント」に注⽬してみてください。

下痢を瞬時に治す⽅法その① 脂肪⾷を避ける

天ぷら、唐揚げ、焼⾁などの油っぽい⾷事はそもそも消化や吸収に時間がかかります。また、胃ではほとんど分解されずに⼩腸で分解、消化されます。
しかし、脂肪⾷を過剰に摂取すると⼗分に分解、消化されなかった脂肪が腸を刺激し、多量の腸液が分泌され、下痢となってしまいます。
また、胆汁は脂肪を分解するために胆嚢から分泌されますが、過剰に分泌されて腸に届くことで下痢を引き起こす要因ともなってしまいます。
このように、脂肪⾷を⾷べると様々な要因が合わさって下痢となってしまうのです。
そのため、下痢にお悩みの⽅は脂肪⾷を避けることで症状の改善が期待できます。

下痢を瞬時に治す⽅法その② カフェイン・アルコールを控える


カフェインやアルコールは腸を刺激する作⽤があります。腸が刺激されると蠕動運動が活発になるため、便として形が作られる間も無く、⽔っぽいまま(下痢)で排出されてしまうのです。そのため、普段からコーヒーなどのカフェインやアルコールを多く摂取している⽅で、下痢の症状に悩まれている場合は控える事で症状が改善される可能性があります。

下痢を瞬時に治す⽅法その③ ⾷物繊維を摂る

⾷物繊維を摂ると腸の動きが調整されたり、腸内細菌が整えられたりするので、良い便が作られるようになります。
⾷物繊維は「不溶性⾷物繊維」と「⽔溶性⾷物繊維」に分けられます。それぞれ作⽤が異なりますので、表にしてみました。

⽔溶性⾷物繊維 (⽔に溶ける⾷物繊維)

昆布やワカメなどの海藻類・ひじき・キャベツ・こんにゃく芋・⼤⻨・りんご・シトラスフルーツ
(オレンジ、グレープフルーツ)など

  • ⽔に溶けてネバネバになる
  • ゆっくり腸の中を動くため、糖質の吸収が穏やかになる。
  • 腸内細菌を良くする

不溶性⾷物繊維 (⽔に溶けない⾷物繊維)

きのこ類・⾖類・オクラ・アボカド・ブロッコリー・ごぼう・ココア・全粒穀物など

  • ⽔分を吸収して膨らみ、便の量を増やしたり、腸を刺激して排便を促したりする
  • 腸の蠕動運動を活発にする
  • 腸内環境を良くする

分類としては⽔溶性⾷物繊維と不溶性⾷物繊維の2種類に分けられますが、⾷品中にはそのどちらかだけが含まれているということはあまりありません。

例えば、全粒穀物には⽔溶性⾷物繊維と不溶性⾷物繊維の両⽅を含まれています。穀物の外側にある部分には不溶性⾷物繊維が豊富に含まれており、中の胚芽部分には⽔溶性⾷物繊維が含まれています。また、フルーツの⽪には不溶性⾷物繊維が含まれており、実の部分には⽔溶性⾷物繊維が含まれています。
このように両⽅が混在していることがほとんどですので、多種多様な⾷品からバランスよく⾷物繊維を摂取することが⼤切です。
厚⽣労働省によると1⽇に必要な⾷物繊維の量として男性21g、⼥性18g以上としています。⼀般的なグリーンサラダだと⼀⽫で約3g程度、⼩鉢の⿊⾖だと約7g程度の⾷物繊維が含まれていますが、使う⾷材や調味料、調理法によっても変わってきますね。

⾷物繊維は⾷べすぎると逆に下痢を悪化させることがありますので、⼀概にどのくらいの量を⾷べれば良いとは⾔えません。その⽅の腸内細菌の構成や消化の働きも⼀⼈⼀⼈異なりますので、毎⽇⾷事をしていく中で、ご⾃⾝で調整していくのがベストだと⾔えます。

下痢を瞬時に治す⽅法その④ ストレスを上⼿に管理する

ストレスを感じると⾃律神経の働きや免疫系に影響を及ぼして下痢を起こすことがあります。慢性的に下痢の症状がある⽅はストレスを抱えている⽅が多くなっており、ストレスによる暴飲暴⾷でさらに下痢の症状を悪化させてしまう負の循環に陥ってしまいます。
また、ストレスは下痢を引き起こすだけではなく、腹痛頻尿、肌荒れ、頭痛など様々な症状を引き起こす原因ともなってしまいます。

⻑引く下痢の症状がある場合、「もしかしたらストレスから来ているのかも」と知っておくということも⼤切です。そうすれば毎⽇の⽣活を⾒直すきっかけともなりますね。
ストレスを解消する⽅法は「1⼈の時間を作る」「⼈と会って話しをする」「趣味の時間を増やす」など⼈によって様々ですので、ご⾃⾝がリラックスできるベストな⽅法でストレス管理を上⼿にしていきましょう。

下痢を瞬時に治す⽅法その⑤ ⽔分補給をする

下痢をすることで体の⽔分が失われてしまうため、下痢をしている中でもこまめな⽔分補給は必要です。さらに乾燥すると⽪膚や粘膜のバリア機能が機能しなくなり、様々な感染症にかかりやすくなってしまうという点においても⽔分補給は重要ですね。
とはいえ、⼀度に多くの⽔分を摂ってしまうとさらに下痢が悪化してしまいますので、少しずつこまめに補給していくようにしましょう。下痢をしている間はポカリスエットのような電解質が補充できるようなものでも良いです。

適正な⽔分量が取れているかの⽬安が尿の⾊で分かるのですが、「ちょっとだけ⻩⾊」が良いと⾔われています。⻩⾊が濃すぎる場合は脱⽔になっている場合がありますので、⽔分摂取の⽬安にしてみてください。

それでも下痢が続く場合は・・

⼤腸内視鏡検査を受ける事をお勧めいたします。
⻑引く下痢には⼤腸がん、潰瘍性⼤腸炎、クローン病、⼤腸ポリープなどの怖い病気が隠れていることがあります。それらを鑑別するためには⼤腸内視鏡検査で⼤腸の中を直接カメラで観察することが必要となります。最近は鎮静剤を使⽤して、苦痛の少ない⼤腸内視鏡検査を受けられる医療機関も増えてきましたので、思い切って検査を受けてみてはいかがでしょうか。
また、膵炎など⼤腸以外の病気で下痢を起こしているケースもありますので、腹部全体を確認できるCT検査も⼀緒に受けられる医療機関がお勧めです。

まとめ

2週間以上続く下痢にお悩みの⽅は、ご⾃⾝の⽣活習慣を振り返ってみてください。今回お話しした⽣活習慣に⼼当たりがあったり、ストレスをお持ちであったりしないでしょうか。腸は⾮常にデリケートですので、これらの影響を受けやすく、健康のバロメーターでもあります。
今回の⽅法を試すことで腸内環境の改善ができたり、ストレスの緩和をしたりすることができれば、下痢の症状が改善されるかもしれません。
それでも下痢の症状が改善されない場合には⼤腸内視鏡検査やCT検査が受けられる医療機関を必ず受診するようにしましょう。

池袋消化器内科・泌尿器科クリニックでは眠ったままの楽な大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が可能です。詳しくは当院医師スタッフまでお尋ねください。

この記事を執筆した人
伊勢呂哲也

日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医、消化器内視鏡学会所属
名古屋大学出身
年間30000人以上の外来診察を行なう。
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。
再生医療のクリニックも運営

 

 

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