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膵臓がんの初期症状5選について

[2023.07.03]

膵臓がんは、その高い死亡率で知られており、10年後に生存する確率は残念ながらわずか5%と言われています。膵臓は「沈黙の臓器」とも言われ、初期段階では症状がほとんど現れないため、早期発見が困難であり、手遅れになる前の早い段階での発見が必要です。

今回は膵臓がんを見逃さないための初期症状5選についてお話させていただきます。

 

1、そもそも膵臓とは

膵臓はみぞおちの後ろ側(背中側)に位置する臓器です。お腹の臓器を囲む膜(腹膜)の外にあるため、異常があるとみぞおちや背中が痛くなってきます。膵臓は「消化酵素を出して消化しやすくする」「インスリンを出して血糖値を下げる」など重要な働きがあります。

2、沈黙の臓器

膵臓がんは死亡率が一番高く、10年生存率はわずか5%と言われています。平均的に全ての癌での生存率は60%弱と言われていますので、膵臓がんの怖さがお分かりいただけるかと思います。

膵臓は異常があっても症状が出にくく、沈黙の臓器と言われています。そのため、沈黙の臓器が発する初期症状を見逃さないようにすることが早期治療につながります。

3、膵臓がんの治療について

膵臓がんを早期発見するためには、初期症状が出たらすぐに受診して腹部超音波検査やCTを検査を受けることと、健康診断で超音波検査などを積極的に受けていただくことが大切です。症状が出たら腹部超音波検査やCT検査ができる適切な病院を受診しましょう。

もし、膵臓がんが見つかって手術をする場合、膵臓の周りには血管や神経も張り巡らされていますので、10時間を超える大変な手術となってしまいます。手術技術の向上は年々目覚しいですが、それでも患者様への長時間の身体への負担は避けられません。

4、膵臓がんの初期症状① 高血糖

膵臓がんの初期症状の1つ目には、高血糖・糖尿病があります。

膵臓はインスリンを分泌して血糖を下げる働きがありますので、膵臓に癌があることでインスリンの分泌が低下し、血糖のコントロールが悪くなり、高血糖となってしまいます。生活習慣を変えたわけでもなく、太ったわけでもないのに、「急に血糖値が上がった」「Hb A1cが上がった」「糖尿の気があると医者から言われた」などがある場合には早めに消化器内科を受診することをお勧めします。

5、膵臓がんの初期症状② 黄疸

黄疸とは体や白目が黄色くなることで、膵臓がんが進行し、肝臓から出る胆汁の通り道をせき止めることで起こります。

せき止められた胆汁は、通常入り込むことのない血液中に入り込み、胆汁の中のビリルビンが体や白目を黄色くさせてしまいます。身近にいらっしゃるご家族から体や白目が黄色いと指摘されて受診されるケースも多いです。

黄疸が出る病気で軽視して良いものは決してありませんので、異常に気付いたら早めに消化器内科を受診するようにしましょう。

6、膵臓がんの初期症状③ 便が白くなる

先述したように、胆汁(ビリルビン) が肝臓から腸に流れてくることが正常ですが、膵臓がんができることでその流れがせき止められてしまいます。
すると、せき止められた胆汁は、通常入り込むことのない血液中に入り込んで、全身をまわることで黄疸が現れます。つまり、胆汁(ビリルビン)は便を黄色くさせているのです。

便が白くなるということは胆汁(ビリルビン)が何らかの原因で腸に降りてきていないという事になります。

便が白くなった場合には膵臓に何らかの病気がある可能性がありますので、黄疸の症状があったり、便が白っぽくなった場合にはすぐに医療機関を受診しましょう。

7、膵臓がんの初期症状④ 腹痛・背部痛

膵臓がんがある場合、腹痛・背部痛が現れることがあります。

腹痛、みぞおちの痛み、背部痛は胃の痛みと思われがちですが、膵臓に何らかの病気がある可能性もあります。

胃からくる痛みはゲップ、胸焼け、胃もたれの症状を伴うことが多いですが、膵臓からくる痛みは何もしなくてもずっと痛い、体勢を変えてもずっと痛いというのが特徴です。腹痛、背部痛を胃の痛みだろうと自己判断することはとても危険です。

必ず医療機関を受診するようにしましょう。

膵臓がんの初期症状⑤ 体重減少

身体の中にがん細胞が増えると、倦怠感を出したり、癌が食欲をなくすような成分を放出し、癌が栄養を吸収します。その結果、体重減少が起こります。

ダイエットをしているわけではないのに体重が減った、食欲がない、しっかり食べているのに体重が減っていくなどの症状があった場合には医療機関を受診しましょう。

終わりに

膵臓は沈黙の臓器と言われているため、初期症状に気づくことが非常に大切となります。

早期に発見されれば、治療の選択肢や成功率が向上する可能性があります。一般的に、膵臓がんの手術は複雑で困難なものであり、生存率は他の癌に比べて低いです。

そのため、今回お話ししたような症状に気づいた場合には、医療機関を受診し、採血・超音波検査・C T検査などを受けて、しっかりと診断してもらうことが大切と言えます。池袋消化器内科・泌尿器科クリニックでは、CT検査、腹部超音波検査などの腹部の詳細な精査が可能となっております。詳しくは当院医師・スタッフまでお気軽にお尋ねください。

この記事を執筆した人
伊勢呂哲也

日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医、消化器内視鏡学会所属
名古屋大学出身
年間30000人以上の外来診察を行なう。
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。
再生医療のクリニックも運営

池袋院

大宮院

新橋院

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